ウイルスとは
ウイルスとは、コンピューターに不正に侵入する悪意のあるプログラムのことです。ウイルスはマルウェアの一種で、ユーザーがアクション(メールの添付ファイルの開封や、悪意のあるウェブサイトへのアクセス)を取ることで実行されます。
ウイルスが実行されると、コンピューターの正常な機能が妨害され、個人情報の盗難・データの損失・システムの異常などの被害を引き起こす可能性があります。ウイルスには増殖する機能もあり、爆発的に広がる危険性も秘めています。
ウイルスの感染経路
ウイルスの代表的な感染経路は以下の通りです。
メール
メールやメッセージから、ウイルスに感染する場合があります。フィッシングメールを使った手法では、ユーザーが偽のメールに騙されて悪意のあるリンクをクリックしたり、添付ファイルを開くことでウイルスに感染します。メール・メッセージは多くの場合、信頼されている組織や個人を装って送られるので注意が必要です。
悪意のあるウェブサイト
悪意のあるウェブサイトにアクセスすることで、ウイルスが自動的にダウンロードされ、実行されることもあります。リンクをクリックしなくても、サイトを閲覧するだけで感染してしまうこともあるので、気をつけましょう。
悪意のあるプログラム
信頼性の低いプログラムをダウンロードすることで、ウイルスに感染する場合があります。中にはウイルス対策ソフトに見せかけて、悪意のあるウイルスをインストールさせるようなプログラムもあります。
リムーバブルメディア
USBドライブなどのリムーバブルメディアを介してウイルスが拡散することもあります。感染したメディアをコンピューターに挿入すると、ウイルスが自動的に実行されるケースもあります。信頼できないリムーバブルメディアは使用しないようにしましょう。
ソーシャルエンジニアリング
ソーシャルエンジニアリングは人間の心理的な弱点を悪用する詐欺で、ウイルスの感染を引き起こすこともあります。例えばメールの添付ファイルを使って、企業のコンピューターにウイルスをインストールさせるような巧妙な攻撃が行われることもあります。
ウイルスに感染するとどうなる?
ウイルスに感染すると、以下のような被害が発生します。
- データの損失:ウイルスは重要なファイルを削除したり、システムを破壊することがあります。データを暗号化し、ランサムウェア攻撃を行うケースもあります。
- 個人情報の盗難:パスワードやクレジットカード情報などの個人情報が盗まれる可能性があります。
- システムパフォーマンスの低下:コンピューターが動かなくなったり、フリーズなどの動作不良が起きる場合があります。
- 不正アクセス:ウイルスは第三者に対して勝手にコンピューターへのリモートアクセスを許可し、悪意ある活動に使用されることがあります。
- ネットワークの悪用:ウイルスは感染したコンピューターに勝手にソフトをダウンロードし、スパムメールの送信や他のシステムへのサイバー攻撃に利用される場合があります。
ウイルスの種類
代表的なウイルスの種類は、以下の通りです。
ワーム型ウイルス
ワーム型ウイルスは、自己複製する能力を持つマルウェアの一種です。ファイルやプログラムに感染する必要なく自らを複製して、他のシステムへと拡散します。自己複製能力により短時間で大規模に広がり、コンピューターのパフォーマンス低下やシステム障害を引き起こす可能性があります。
マクロ型ウイルス
マクロ型ウイルスは、Microsoft Officeなどのアプリケーションソフトウェアに組み込まれた「マクロ機能」を悪用するウイルスです。マクロ機能は、繰り返し作業を自動化するためのプログラムコードで、WordやExcelなどで使用されます。Microsoft Officeで作成されたファイルを開く場合は、信頼できるソースか確認してから開くようにしましょう。
ファイル感染型ウイルス
ファイル感染型ウイルスは、実行形式のファイル(.exeや.comなど)に添付されるウイルスです。ウイルスに感染したプログラムを実行すると、ウイルスも同時に実行され、システムに様々な損害を与えます。ファイルが添付されたフィッシングメールやスパムメールには、特に注意が必要です。
トロイの木馬型ウイルス
トロイの木馬型ウイルスは、正当なソフトウェアに見せかけた悪意あるプログラムです。有用なプログラムや機能として偽装してユーザーを騙し、システムに侵入します。攻撃者にシステムへのアクセスを勝手に許可したり、個人情報を盗んだり、追加のマルウェアをダウンロードしてコンピューターに被害を与えます。
ウイルスの対策方法
ウイルスへの対策方法は、以下の通りです。
怪しい添付ファイルを開かない
怪しいメールの添付ファイルを、絶対に開かないようにしましょう。ウイルスだけでなくスパイウェアの侵入を許してしまう可能性もあります。スプーフィング攻撃の可能性もあるので、真偽がわからない場合は送信者に必ず確認を取りましょう。
ソースを確認する
ファイルやメッセージが、信頼できるソースから送られたものか確認しましょう。ウェブ上やメール内の怪しいリンクもクリックしないよう気をつけてください。少しでも不審に感じたら、クリックする前にURLを確認しましょう。
むやみにダウンロードしない
非公式ウェブサイト・海賊版サイトなどから、むやみにソフトウェアをダウンロードしないでください。信頼できないウェブサイトの訪問を避け、ダウンロード時は公式サイトから行いましょう。
常に最新の状態にアップデートする
OSやソフトウェアをアップデートし、コンピューターのセキュリティを最新の状態に保ちましょう。脆弱性を修正し、ウイルスの侵入を防ぐことができます。定期的にファイアウォールの設定を見直すことも大切です。
セキュリティ対策ソフトを活用する
信頼できるセキュリティ対策ソフトをインストールし、常に最新の状態を保ちましょう。ウイルスは日々進化しているので、専用のソフトに頼ることも重要です。